2012年05月09日

スポットライト(第17話)

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スポットライト(第17話)

「おはよう」
「おはようございます」


スタッ・・・スタッ・・・



「はい!おっけ〜」


「お疲れさまでした〜」


・・・


おはようございます

だれ?


「おい!どうなってんだ!あんな演技・・・俺じゃ無くても出来るだろ!!」


俺が詰め寄った相手は事務所の人間

「いや〜・・・あれは あれで良かったんだと思うよ!他に仕事無かったんだから
・・・良いんじゃない??」


・・・


クソ・・・誰だと思ってんだ!!


親の七光りと言うヤツがいる。
父親が俳優をしているから、そういう風になるかもしれない


だが違う!


子役デビューしてから30年にもなる。
自分なりに役者として頑張ってきた。


子供の頃は忙しかった。

最近、まともな仕事をもらってない。


チンピラB
会社員A



こんな役柄が増えた
名前すらもらえない

ふざけんな!
父親には、もう辞めて違う仕事に就けと言われている。

バカにしやがって!
今さら他の仕事なんか出来るか!?
俺の才能を分かっちゃいない

他の役者のブログを見てるとむしずが走る。



イライラ・・・イライラ・・・


新人が俺を踏み台にして掛け上がって行く表舞台
殺意さえ覚える。

・・・


怒り 憤り 怨念 憎悪 執念

・・・


本当に殺してやろうと思った。



黒魔術』っと・・・


直接殺して捕まったら意味がない。
呪い殺す。本当に死ぬとは思わないが、死んでくれたらラッキー!!
みたいな感じでサイトに検索した

・・・


膨大な量の黒魔術サイト

適当にアクセスしてみるか!!


どれも似たり寄ったりのサイトばっかりだ

「え〜っと・・・次は?」


カチカチ・・・



闇の販売所?これも あんまり期待出来ないな」

・・・


まぁ・・・覗くだけ・・・


「ん〜?」

・・・


「呪い殺す道具 道具 道具は・・・・・」



無かった。

こんなことは良くあることだと思って次に行こうとした時


ん?



「人気者になりたい人?」

その文字が やあけに気になった。


※人気者になりたい あなたへ
『陽と陰のCD』
商品説明:陽の曲を聴くと太陽のように誰からも注目されます。逆に
陰の曲を聴くと野道に咲く雑草のような存在になります。

・・・


俺の為に、ある商品だと思った。

騙されても良い。買ってみるか?


今の生活から抜け出せるなら!!

買う価値がある


「しかし変だな・・・」

おかしな点が いくつかあった。

通信販売やオークションの多くには写真添付がある。

・・・



通販における表示必要事項が無い。

例えば送料や返品などの詳しい説明がない


やはり悪徳業者かと思った

おまけに30万もする。


どうする?

魅力的な商品・・・


・・・



悩んだが買うことにした。これで有名になれば安いもんだ。
騙されたとしても諦めが付く。


・・・



翌々日・・・

今日も仕事らしい仕事が無く午前中に引き上げた

・・・



「クソがぁ!役名すら無いなら呼ぶな!」

ガン!
部屋のゴミ箱を蹴りあげた。


ピンポーン


ん?


「はい・・・」

受話器を取るとモニターに映し出されたのは見知らぬ人間。顔が良くわからない。


「こちらは闇の販売所ですが、商品をお届けに参りました。」

「あ〜・・・今でます」


注文していた事を忘れていた。カードで支払いイケんのかな?
家に俺だけで良かった。


そんなこと考えながら


ガチャ・・・
ドアを開けた。

「本日は、お買い上げ真にありがとうございます。さっそくですが、こちらがご注文
いただいた商品になります」

差し出されたのはCDだけでジャケットや帯などが無かった。


「えっ?ディスクだけですか?」

「何か不都合な事でも?」

「いや・・・別に」


絶対にあり得ない。
裸のまま受け取り

カードは無理だというので現金で支払った。


怪しい。

今なら、まだ断ることが出来る・・・

よし!
断わろう!


そう思った瞬間、男が口を開いた。


「いつも応援していますよ」


「えっ・・・あっ!どうも ありがとうございます」

・・・




無理だ!!!

あんなこと言われて・・・
断われるはず無かった

「では・・・私はこれにて失礼します」

「あ・・・はい。どうも」

・・・



・・・


数少ないファンは大切にしないとな!

さっそく聞いてみることにした


プレーヤーにセットして再生を押す。


ウィ〜ン・・・

という小さな音がして


ベッドに横たわった。



♯♪♪♭♯・・・

なんとも不思議なメロディーが部屋中に響き渡る。

ベートーベン月光という曲に似た音階

・・・



そのまま
眠ってしまった。


ん?

「う〜ん・・・」

どれくらい眠っていた?
携帯の時計を見ると
AM4:14



なっ!?


12時間以上も眠っていた事になる
日付が変わってる!!


うす暗い部屋でプレーヤーの電源だけが小さく光っていた。

まだ少し寝ぼけながらテレビのスイッチを入れる。
早朝だからニュースしかやってないが・・・

・・・



『続いてのニュースです。昨夜未明から深い眠りについていた佐藤浩介さん(33)の
部屋に明かりが付いた模様です。現場から中継が入っています。』

・・・


『はい!こちら佐藤さん宅に来ています。私のちょうど後ろに佐藤浩介さんの部屋が
確認出来ます。ご覧のように・・・』


・・・




なんだコレ?うちが映ってる


シャー・・・


カーテンを開くと



!!!!???

もの凄い数の報道陣がごった返していた。

テレビからは『あっ!ご覧下さい。佐藤さんがカーテンを開けた模様です・・・』


どう・・・なってんだ?

途端に携帯が鳴りだす。


状況が把握できないまま
携帯を拾った。

ん?

「もしもし・・・」

「あっ!佐藤くん?今から こっち来れる?」

「えっ?今からっすか?」

「もう会場用意してあるから、取りあえず事務所ね!」

「えっ?ちょ・・・いきなり」



プッ・・・ツー・・・ツー・・・

・・・


もしかして
これってCDのせいか?

玄関のドアを少し開け顔を出してみた。

!!


パシャ・・・パシャ・・・

な!?


凄い数のフラッシュに思わずドアを閉めた。


違う!
こんなんじゃない!

こんな風に訳も分からず目立ちたかったんじゃない。

・・・




人気者の意味が、全然違う!?

部屋に戻り再びテレビにくぎ付けになった

『先ほどの佐藤さんの画像をいち早く入手しました!こちらが・・・』

!!


クソ・・・これじゃあ まあるで犯罪者みたいじゃないか!

・・・


そういえば

陰の曲


陽が、こんなだから
陰なら、きっと元通りになるはず!


でも聞いて良いのか?

せっかくだから
もう少し


でもなぁ・・・

このまま有名になってもなぁ

・・・


かなり迷ったが聴くことにした。


依然として外は物々しい。


2曲目にスキップして曲が流れ始める。


♪♯〜〜〜〜・・・


ん?
なんだ?

立ったまま目まいがして
ふらつく

ドン!


足に力が入らずに倒れてしまう

「うぅ・・・」

12時間以上も眠っていたのに

また睡魔が・・・


「ねむっ・・・・て」


・・・


「うぅぅ・・・」

凄い頭痛がする。また眠ってしまった。


「イッツ〜・・・」

頭がガンガンする。

・・・


携帯の時計は
PM4:15


またか!
また12時間以上も眠っていたのか?

父親と歯はおyが留守で良かった。




報道陣は?

・・・


誰も いない。

平穏な街並みがあった。
いつもと変わらぬ夕方時。


テレビ番組をチェックしてみたが俺の事は話題になかった。



良かった。


全国ネットで放送されて
少しは名前が知れ渡ったかと思ったが甘かった。

目ざめてから ずっとテレビのチャンネルを操作したけど佐藤浩介の
名前は出てこなかった。

・・・



明日、朝一番から仕事が入ってたのを思い出した
仕方ない・・・諦めて

横になった。


眠れる訳がない!


結婚式場・・・

撮影現場に到着して台本の確認をする


《男性客Aが廊下から会場に入ってきてテーブルに座る》

・・・


・・・


クソ!!また こんな役!!頭に来るぜ!

廊下で待機しながら愚痴を言う。

「大体あんなにカメラが遠かったら俺があんまり映らないし、この役に意味あんのか?」


そんな愚痴とは対照的に撮影がスタートした。

・・・

「よし!」



スタ・・・スタスタ・・・

結婚会場に入った。



「んん?おっ!・・・わっとっと!!」



勢いよく出たせいか転んで


ガシッ!!

そのままテーブルクロスを引っ張ってしまい



ガっシャーン!!?


やってしまった!


ん?


「ぬおわ〜!!」

良く見るとロウソクの火がテーブルクロスに燃え移っていた


バサッ・・・バサッ・・・


急いで上着を脱いで火を消す!


「うぉ〜火事だ!!」


バサッ!バサッ・・・

・・・

・・・




やっと消えた。




けど


「はい・・・オッケー!」


えっ??


「かっ・・・監督!!今のオッケ〜なんですか?」

「・・・」


あれ?無視?


・・・


どういうことだ?
家事で良かったのか?


あれだけのことをやらかしたのに!

・・・


まさか!あのCDのせいか?

逆に存在感がなくなり過ぎている!


ヤバい・・・なんとかしないと!


自宅に急行した。


ん??


な・・・無い!

プレーヤーから取り出した記憶も無かったが


ヤバい!このまま一生、影の薄い生活だと役者なんか夢のまた夢だ!


椅子に座って闇の販売所を検索する

闇の販売所で検索してヒットした!

元通りになる商品を探す。


マウスを触る手に力が入る。人生を元に戻す道具・・・道具・・・


無い?!

商品自体、意味の分からないものだらけだ。


ん?


これは?


※霊能力
商品説明:希少価値の高い特別な能力



霊能力?

コレ・・・使えるんじゃないか?役者だけでは、どうしても限界がある。


けど、役者をしながら霊能力として活躍すれば違うジャンルでテレビに出れるんじゃ?

・・・!!



「4億?」


4億

オヤジなら出せそうな金額だが、なんせ高すぎる。


・・・

だが、これで仕事が入ってくればすぐに取り返せる!
両親も、きっと喜ぶ。
将来が見えて来る。



迷わず購入をクリックした

父親名義の小切手を勝手に用意して家で待った。


注文した日に来る訳が無い・・・のは分かっていた。
だけど存在の薄い俺には1秒でも早く欲しい


ん?


※こちらに記載して無い商品も多く取りそろえております。ご希望の商品が
無い場合は以下の電話番号まで24時間お気軽にお尋ね下さい。


電話か・・・



トルゥゥ・・・トルゥゥ・・・


「はい・・・こちら闇の販売所でございます」

「あっもしもし・・・先ほど、霊能力って言う商品を買わせてもらった
佐藤って言うんですけど」

「えぇ・・・ご注文承っておりますよ。どうかされましたか?キャンセルですか?」

「あの、すぐに欲しいんですけど取りに行っても大丈夫ですか?」


「なるほど、分かりました。いつでもお待ちしております。」


住所の確認をすると歩いて行ける距離だった。

近いな!歩いて行くか・・・


着替えを済ませると直ぐに家を出た。


少し早いペースで大股になる。


ドン!!
いきなり ぶつかって来た男が無視して歩いて行く。


な!

「おい!ぶつかっといて無視すんのか?」


・・・

お構いなしに歩いて行くので腹が立った!

更に・・・歩いて大通りに出ると


ドン!ドン!


何人もの人間が真正面からあたって来る。


おかしい!当たっても気付かずに素通りしていく。
見えていないのか?


昨日よりも存在が無くなっている?


これは非常にヤバい!
一刻の猶予(ゆうよ)も無い。


人ごみを走った。左右に素早く移動しながら障害なる人を避けた。


もうすぐだ!!

もうすぐだ!!


ん?

ブゥ〜ン・・・

!!?


ガッシャーン!!!
「ぐうひぇ・・・」

キィィィィイィ・・・




バタン!!バタン!!!

二人の男が降りてきて

「おい!今なんか跳ねなかったか?」

「誰か居たと思ったけど勘違い?」


!!


「でも見ろよ!バンパーへこんでるぜ!」

「おい!そんなことより渋滞してっから!早く行こうぜ!」

「うわ〜!最悪」

・・・

・・・

「だ・・・


誰か


救急車・・・」


男達が俺に気付かないまま・・・車に乗り込む。


そして


「た・・・助けて・・・く」


ブゥ〜〜〜〜ン・・・


ガン!!!
「ぶべぅえ・・・」

ドン
「・・・」



誰にも気づかれないまま
俺は・・・いつまでも・・・



そこにいる。



スポットライト終了

◇次回は27:27:27です◇お楽しみに
※より小説を楽しんでいただくため、第1話(ゲーム)からお読み下さい。

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posted by まさるっち at 19:55| Comment(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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