2012年04月25日

迷い人(第11話)

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迷い人(第11話)


おかしい・・・

不思議に思うのは俺だけか?


ここ数年、東京の、ある一定の地域で変死者や行方不明者が続出していた。

日本では毎年10万人以上の行方不明者がいる。


どこに行ったか気にならないのか?



ある高校の一つのクラス限定で集団行方不明

ある一家の行方不明


行方不明者に共通している点は無い。
あるとすれば・・・全員のパソコン履歴が削除されている事


数年前に大阪で起きた闇サイト連続殺人事件(実話)に似ている。

関連性は薄い。

俺は警察や探偵じゃない

ましてや新聞記者でも無い。普通のサラリーマン

別に気にしなくても良いのだが

気になることがあった。


黒いロングコートの男


俺が、その男を目撃すると必ず行方不明者が出る。

考えすぎか?


いや・・・

公園・・・

何かをするでも無く、ただ、ただ男が突っ立っていた。

様子を見たかったがバス停に急いでいた俺は無視した


・・・


「ヤバ!」

財布が無い!どこで落したんだろう?

来た道を探し戻るとバスに乗り遅れた。


最悪。


でも、


ラッキーだった。


『本日未明のバスが崖から転落。運転手 乗客合わせて23人の死亡が確認。
警察の調によると運転手の・・・』



当日、夜のニュースで知った事故

危なかった。



もし乗っていれば24人目の犠牲者になっていた。

あの男を目撃して
すぐの事故。


以前から何度も見掛けた後に、事件、事故。


個人的に・・・調べてみるか。

「おい・・・もう一軒飲みに行こうぜ〜」

「先輩飲み過ぎですよ。明日も早いから、止めた方が・・・」

「ビッグ・・・おう!先輩に意見すんのかぁ?」


この人、酒さえ飲まなかったら良い人なんだけどなぁ〜


「よ〜し!次行くぞ〜」

「あっ!!」


夜の繁華街で見つけた。

「先輩、俺ちょっと急用思い出したんで失礼します」

「えっ?おい!お〜い。寂しいよ〜」

先輩には悪いが

やっと見つけた。もしかしたら勘違いかもしれない。
誤解かもしれない


尾行するだけだ。

ただ怪しいと思うだけだ。

単なる興味

ダメなら帰れば良い。


どこまで行く気だ?

徐々に人気の無い・・・オフィス街に近づく。

そして角を曲がった


急いで俺も角を曲がる。



!?


いない・・・


どこへ・・・行った?


人通りの無い場所だった。


ん?


近くで何人かの騒ぎ声がする。

廃墟・・・の中から?

潰れたであろう店の中から聞こえた、


なんだ?


興味本意で、店内を覗く

!!


数人が男女が交互に、一人の男に尾行していた。


「ど・・・どど・・・しよう」


しかも
尾行を受けている男は椅子に座らされ、脚にはセメントが固まって見えた。



「けけ・・・けっ警察に・・・」


「やめておきなさい」


!!
振り返って見ると

ロングコートの男

なんで・・・ここに?


「でも、彼・・・このままだと殺されて・・・しまう」

「そうでしょうね」


軽く・・・そうでしょうね?


「あんた!人の命なんだと思ってるんだ?」

「時に正義は死を招く。彼を助けると、あなたに標的が変わりますよ」

「うぅっ・・・」


それは・・・


「彼は、こうなる運命だったのです。見つかる前に逃げたほうが懸命ですよ」

「・・・」

そして、見捨てて・・・しまった。


「困りましたねぇ。もう・・・あそこで仕事が出来ません」


仕事?

「あんな廃墟で、なんの仕事が?」

「あなたには廃墟に見えましたか?」

「誰だって廃墟に見える」


・・・



「そうでしょうねぇ。あのお店は人によって見え方が違う」


だから廃墟だって!!

「彼は二度目の来店が、死に場所だっただけです。まぁ・・・死ねませんけどね」


二度目?


「じゃあ、暴行受けてたやつ知ってたのか?」

「えぇ・・・まぁ」

人が殺されそうな時に平然と歩いてる。

何者だ?

「いつまで、ついて来るつもりですか?」


ん!
そう言えば・・・ここ何処?


「ここから先は・・・ついてこない方が良い」

「は?別に、ついて来た訳じゃない。あんたに指図される筋合いはない!」

「ここから先はサンクチュアリです」


「サンクチュ有り?」


サンクチュアリ。つまり・・・聖域です。止めたりしませんがね」

「だから!指図しないでくれ」


そのまま・・・男を無視して進んでしまった。

なんなんだ。この男は!
ただのお節介野郎だ!


あれ?


振り返ると、また・・・いない


まぁ・・・いい。


時計は23時。リンチされた男・・・どうなったかな?


もう手遅れかも。

帰って寝て、忘れるに限る
「タクシー」


お!
まだ・・・誰か起きてるな。

「ただいま」


・・・


やけに静かだな。浴室から姉きの鼻歌が聞こえる


ガチャ・・・

「おぅ!ただいま」

「・・・」


「キャァァァァァァァァ・・・・・〜〜〜〜〜」

!?


「ちょ・・・ちょっと、そんな大声で叫ぶとオヤジたち起きちまうだろ!」

「だれかぁぁぁぁぁぁぁぁドロボウ〜〜〜〜〜〜」


はぁ〜?


ドタドタ ドタドタ・・・


二階からオヤジたちがゴルフアイアン片手に降りてきた。

「あ〜あ・・・オヤジ起しちゃった。だから言ったのに」

「何がオヤジだ!うちには息子は・・・おらん!早く出て行かないと警察呼ぶぞ!!」


な!?


「ちょ・・・ちょ・・・悪い冗談やめてくれ」

オヤジが姉きを守りながら・・・「おい!警察に連絡しろ!」

「うん!」

少しずつ、後退する。


本気・・・っぽい


「あ!もしもし・・・今うちに変な男が・・・はい」

クソ・・・まじかよ!



ドアを開け逃げだした。


オヤジたち、本当に俺のこと知らない顔だった。

どうなってんだよ!

「なんのドッキリだ?」

満天の夜空に問いかける。



キィ キィ キィ ・・・



公園のブランコに揺られて久しぶりに空を見た気がする。

公園で野宿なんか高校の時に、家出して以来だ。


チュンチュ・・・チュ・・・


小鳥の鳴き声で目が覚めた。

「ん?朝か・・・ふぁ〜」
寒い・・・


クソ!!
目が覚めたら、布団の中に居て欲しかった。

ゴソゴソと会社に行くために駅へ向かう。

駅に着いて缶コーヒーを買う。いつもの日課になってた。


あ!先輩だ

昨日のこと・・・怒ってないよな?


「先輩おはようございます」

「・・・」

シカト?


「あれ・・・?先輩・・・?ちょっと・・・?怒ってんですか・・・?」

先輩の肩を掴む。


バシッ!!

「痛ッ!」


手を叩かれて


「君、誰だ?朝から止めてくれないか?」


えっ?
身体が硬直した。先輩まで、そんなこと言うのか!?

何か・・・変だ。
まるで俺が、この世に存在して無いように皆避ける。


あっ!

そういえば、昨日
男が言っていたな。


聖域とかなんとか


次の駅で下車した。


どうしても確かめたかった


区役所・・・


「そんな!!何かの間違いじゃ無いんですか?」

「申し訳ありませんが・・・その名前で二度検索しましたが、
そのような方は・・・」



そんな


やっぱり存在して
ない


一体どうなってるんだ!?

公園・・・

帰るとこも、行くとこも、無い。
どうしたら良い?


ん!!


本当に俺。ツイてる。


ロングコートの男・・・が

歩いて来る。


「どうです?こちらの世界は?」

「どうです?じゃねぇ!どうなってんだ!」


男を怒鳴る声に力が入る。

パラレルワールド。あなたの世界と並行して存在する・・・もう一つの世界」

パラレルワールド?」

「はい。しかし、あなたは存在してませんねぇ」

「なんで、この世界に俺は存在して無いんだ?」

「・・・」

「どうなんだよぉ!!!」

男が少し笑ったような


「警告したはずです。これ以上進むなと」

「そりゃ、俺が悪かったよ。じゃあ俺は、これから・・・どうなるんだよ?」

「助けて差し上げても構いませんが」

「本当か?帰れるのか?」


男が公園の先を指して・・・


「あそこを真っ直ぐに進めば帰れるでしょう」





俺が走りだそうとした瞬間・・・


「お待ち下さい!!タダで行って良いとは言っておりません」

「なんだ?金とんのか?俺は、こっちで存在して無いんだぞ。通帳や印鑑なんて無いぞ!」

「あるじゃないですか!」





「あなたの・・・若さ・・・霊感・・・記憶・・・心・・・家族・・・」

「何言ってんだ?」

「どれをもらい受けましょうか」



ゾク!!


なんか・・・怖いこと言いだし始めた。


「けっ!そんなもん・・・やれるか!!」


口走りながら一目散に走りだした。
逃げたもん勝ち


お!なんだ?
空間が、歪んでる。

「まだ・・・イケません」
後ろで男の声がした。
構うもんか!


その空間目掛けて一気に飛び込んだ。


・・・



・・・


「本当に・・・人間は哀れな生き物ですねぇ」

「私も・・・そろそろですがね」


「イテテテ・・・テ」

勢いよく飛び込み過ぎた。

「ふぅ〜」


キョロキョロ・・・

「どこだ・・・ここ」


ん〜?


ここ、日本じゃ無いな!

瓦礫(がれき)の山

崩壊した建物・・・横転した車

・・・


マズイ場所に来たかな?


多分・・・異常な暑さから考えて赤道付近の戦場


クソ!なんでこうなる。


日本語しか話せねえぞ

「と・・・取りあえず人を探して日本大使館に行くか」


・・・


暑い・・・異常に暑い
覗が乾いた。


・・・

ひ・・・人がいない。

どっちに行ったら良いか、全く分からない。

戦場だと、間違って撃たれるかもしれない



早く!こんなとこ オサラバして日本に・・・



ん!


「お待ちしておりました」

な!

「なんで・・・ここに居るんだ?連れ戻しに来たのか?」

「そんなつもりは、ございません」

「俺は、帰りたいだけだ。邪魔しないでくれ」

「暑そう・・・ですねぇ」

「あぁ・・・一体どこの戦場なんだ?暑いし、人も見当たらない」


ん?


男が、指を上に指して

「上をご覧なさい」

「うえ?」


なっ!

なんだ・・・


あの異常な大きさの



太陽は!?


「年々・・・太陽が巨大化していることはご存じですか?その内、太陽系をも飲み込む
大きさになります」



「にっ・・・日本は?世界はどうなるんだ?」

「ここは日本ですよ」


!?


日本?ここが?

「そんなデタラメだ!」

「ウソでは・・・ありません。ここは1500年後の日本」






「違う!未来の日本は、もっと近代的なはずだ。うそっぱちだ」

「20世紀末の予測には・・・
少子化が進めば1500年後の日本の人口は、わずか一人という結果が出ていました」


たった・・・一人?

「おい!頼む・・・もう一度、俺が居た場所に返してくれ」


・・・


「彼は公園で≪まだイケません≫と警告したはずです」


彼?

この男自身じゃないか?・・・


「長く待たされました。彼は私であって私ではない」


???


「私は、この国に残った最後の日本人」


「言ってる事が、全然分からない。なんで最後の日本人なんだ?」



「そのうち・・・分かります」

「人が減り・・・都市が滅び・・・温暖化した地球」

「・・・」



「今から、約億年後には地球はあ崩壊します。あなたには・・・それを
見届けてもらいます」


「は?俺そんなに長生き出来ねえし」

「大丈夫、あなたには、その力がある。今は分からなくても」


少しずつ近寄って・・・来る・・・


「イヤだ!!死にゆく世界で一人なんて!2億年も、出来るか!!」


イヤだ・・・来ないでくれ!?イヤだ!イヤだ・・・イヤだ!来るなぁぁぁぁ!!


「さぁ・・・どこへ逃げても同じです。運命を受け入れなさい」



闇・・・


真っ暗だ


どうなった?俺が支配する世界。俺は・・・ただ・・・



尾行しただけだ


迷い人終了


◇次回はヒーローです◇お楽しみに
※ぜひ第1話からお読み下さい。

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posted by まさるっち at 19:33| Comment(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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