2012年04月14日

夢(第8話)

応援クリックお願いします。

短編小説 ブログランキングへ




俺は古い人間なのかもしれない

職場では同僚との折り合いが悪い。昔から人づきあいが下手だと分かってる。
親友など持った事がない。

妻とはお見合いで結婚
男の子が一人生まれた。


妻とは喧嘩ばかりの毎日。互いに顔をあわそうとしない。


父親を見下すわが子は、家庭内暴力に恐喝。



もう・・・


うんざりだ

学生時代が人生のピークだったように思う。


ただ純粋に夢に向かって頑張ってた日々が懐かしい。


もう一度・・・あの頃に・・・


書斎で机に腰掛けて両手を組み折る。



「私のワガママを許してくれ!」

手続きは全て終わっている。

荷物を拾い部屋を出る。


コン・・・コン・・・

「うっさい」


・・・


最後に息子の顔を見て行きたかった・・・

息子だけは愛していた。


本当に・・・すまない。



闇の販売所・・・ここへ来るのは2度目だ。


俺は、この店で買った。財産を全て売り払って買ったモノ


過去にタイムスリップする夢・・・後悔はしてない。



「いらっしゃいませ・・・お連れ様もご一緒ですか?」

「連れ?」



・・・



「これは失礼しました」


犠牲にしたものは、あまりにも大きい。でも過去へ行って歴史の事実そ知りたい!


昔からの夢


「心の準備は出来ましたか?後悔なさいませんか?」

「あぁ・・・やってくれ。家族にも別れを言って来た」


本当は手紙を残して来ただけ。許してくれ・・・本当に


「分かりました。では、いつ・・・どの時代に行かれますか?」

「日本の愛知県で1560年に行きたい」

「おやっ?彼、消えてしまいましたねぇ」


ん??カ・・・レ?



「もしかして、その時代へは行けないんですか?」

「いえいえ・・・そんな事はありませんよ。では始めましょうか」

ヨロシクお願いします」

「行かれる前に・・・こちらをお渡ししておきます」


渡されたのはブレスレット


「これは?」

「時間や次元・・・時空・・・時代・・・場所・・・それら全てに関係なく
使える通信機です」

「なんで通信機なんか?」

「特に意味はありませんが、無事に到着したか確かめる物です。1時間ほどで
消滅しますので」


・・・


本当に大丈夫なのか?ブレスレットをハメながら疑問に思う

「では、目を閉じて・・・リラックスして下さい」


・・・


身体が宙に浮いた!

凄い!?

店主が何か呟いてる。意識が遠のいて聞こえない


・・・


「永縁三年・・・・・・桶狭間へ・・・・・お気をつけて」



俺は高校で歴史を教えていた。真実を見た訳でもなく、知らないまま教えるには
抵抗があった。


夢が叶う。


宇宙浮遊さながらの浮遊


関ヶ原にすれば良かったか?久しぶりの興奮に胸が高鳴る。



もうすぐだ!



「うぅ・・・」


着いたのか?立ったまま気絶していたようだ。


ここは?

辺りを見渡す。

森???の中に着いたようだ


キョロキョロ・・・


ん?


なんだ?どうしたってんだ!?

足が言うことを利かない。
「どうなってんだ!」


そうか!ブレスレット・・・

腕をあげブレスレットに話しかける。


「聞こえるか?聞こえたら、応答してくれ!」



・・・


「聞こえてますよ。いかがです?戦国時代は?」

「それが、森の中に居るんだが脚が動かない!なんとかしてくれ」

「それは、変ですねぇ。確かに送り届けましたが」

「おいバカにしてんのか?助けてくれ」

「分かりました。私も、そちらに向かいましょう」


良かった。


ん?


あれは・・・人かな?


かなり遠くで五人前後の人影が見えた。

「お〜い、こっちだ!こっち・・・お〜い」


つい嬉しくて声を大にして叫んだ。大昔の人に会える。
こちらに気付いたのか・・・少しずつ近寄って来る。


あれ?


遠すぎて良く確認は出来なかったけど・・・現代風の・・・


スーツやTシャツにジーパンに見える。



なんで?


「こちらに居られましたか。随分、探しましたよ」

「うわっ!」


急に声がして驚いた。


「あ・・・あんたか!驚かさないでくれ。それより・・・ここは、桶狭間じゅないのか?
一体どうなってるんだ?」


・・・


男がしゃがみ込み地面を確かめる。

「なるほど・・・そういうことですか」


・・・


「どうやら・・・あなたは強制移動させられたようですねぇ」

「強制移動?」

「はい・・・私よりも大きな力によって」

「それより、こっちに来てなんとかしてくれ」


・・・


「おい!大金払ってんだ!助けてくれ」

「残念ながら、これ以上そちらへ行くことはできません。」

「おい!!ちょっと・・・冗談は止めてくれ!」

「冗談などでは・・・ございません。エキストラが映画に写っては
マズイでしょう?」


エキストラ?

「あんたを信用して・・・ここまで来たんだ。助ける義務が、あんたにはある」

「申し訳ありませんが、私には・・・どうすることも」

「では、私は・・・これにて」

「おい待て!いや・・・待ってくれ。俺これから・・・どうなるんだ?」

「それは・・・」


「それは?」


「後ろを・・・ご覧なさい」





「うし・・・ろ?」

振り返ると、あんなに遠くに居た人たちが近くまで来ていた。


!!?

こっ・・・


コイツら


先週から行方不明になってる俺の生徒じゃないか!?


「お前ら・・・どうして、ここに!?」



『うぅ〜』『がぁ〜うぅ・・・』


ゆっくりと歩いてくる。

まるで・・・


ゾンビのようだった。


一人が俺の肩に噛みつく

「ぐぅぁ・・・離れ・・・ろ!」

「お前ら・・・冗談は・・・よせ!!」


ゾンビのようでは無く、ゾンビだった。

いつの間に周りは・・・沢山のゾンビに囲まれている。


一人・・・また一人・・・俺に噛みついて来る。


「や・・・止めてくれぇぇ・・・お前ら!」


こんなところで訳も分からずに死ぬのか?

俺は父親として、教師としても失格だったかもしれない。


夢も叶わずに終わってしまう



「ようこそ・・・リアリティホラーの世界へ」


店主が嬉しそうに呟く



夢終了


◇次回はカルネアデスの坂〜前篇〜です◇お楽しみに

※是非、第1話からお読み下さい。(実は繋がっているかも・・・)

1クリックお願いします。

短編小説 ブログランキングへ
posted by まさるっち at 15:14| Comment(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。