2012年04月06日

ペット(第3話)

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ペット


「ねぇ〜〜〜買っても良いでしょう?」


「ダメったらダメ!大体誰が散歩やご飯の面倒を見るの?」


「学校から帰ってきたら散歩に連れてくからさぁ〜買ってよ」


「前もそう言ってママに押しつけて・・・最初だけじゃない、面倒みたの!」


「ケチケチばばぁ」


「なんか言った?」



タタタタ・・・



ふぅ〜・・・二階にある自室に逃げると大きくため息


「はぁ〜犬欲しいな・・・」



ん?


パソコンの電源が入ってる。さてはお兄ちゃんだな


自分の使えば良いのに・・・



闇の販売所?もう変なサイト開いて・・・」



・・・


面白そうね・・・

でも有害サイトかも・・・


「う〜っと・・・なになに?きっとお役に立つ商品か」


「うわっ高っ・・・
しかも何に使うのか分からない商品ばかり」


「うは!!ペットあるじゃん」え〜っと・・・



・・・



ん〜と


九十九神?ティアマト?ガネージャ?


これ何の動物!?


コン コン・・・


「有美入るぞ」


ガチャ



「ちょ・・・ちょっとノックくらいしなさいよ!!」


「思いっきりしましたけど!!何してんの?」


すぐに画面を閉じて・・・

「ううん。なんもしてないから!それより何?


「もうすぐメシだってよ」

そう言うとお兄ちゃんは興味なさげにドアを閉めた。



闇の販売所か・・・



翌日・・・


ペットショップに友達と一緒に来た。

来たのは良いけど・・・高すぎて到底お小遣いじゃ買えない額


「可愛い・・・メッチャ可愛い・・・」 
愛くるしい子犬たちに癒される。


君たち高いね〜



夕食後に何となく闇の販売所サイトを覗く



意味の分からない名前の商品・・・しかも高い。



災いのボールペン
予告ノート
全知の消しゴム
囁く下敷き
償いの定規
次元のコンパスなど・・・




文房具なのにどれも数百万以上でドラえもんの道具みたい。


買う人なんか・・・いるのかなぁ〜?


更に進んでいくとますます訳の分からない商品ばかり

「ふぅ〜・・・ん?」


ちらに記載して無い商品も多数取りそろえております。ご希望の
商品がない場合は以下の電話番号まで24時間お気軽にお尋ね下さい。
・・・か




掛けちゃおっかなぁ〜・・・。



手軽な価格で飼いやすくて癒されるペットありますか?
相手にされなそう・・・



ん〜と・・・ん〜と・・・ん〜と・・・


暇つぶしに掛けちゃえ。


ちょっと怖かったんで非通知で掛ける私・・・


トルゥゥ・・・トルゥゥ・・・


心の中で何故か出ないで欲しいと願う。


怖い人だったらどうしようかと色々考えた。

やっぱり切ろう



ガチャ・・・



タイミングって怖いなぁ〜



「はい・・・こちら闇の販売所です」


「あの・・・その・・・えっと・・・えっと・・・」


「・・・」


「おやおや・・・そんなに緊張なさらずに落ち着いて話て頂ければ
結構ですよ」


優しい男性の声が聞こえる。なぜか落ち着く
魅力的な低い声に緊張が解けて・・・不思議な感じ。



「あの・・・え〜っと・・・」


「若いお嬢さんですねぇ。お金が欲しいとか恋人が欲しいとかですか?」


「いえ・・・あの・・・手ごろなペットが欲しいんですけど」


「お金も恋人も欲しいんですけど、可愛いペットが欲しいんです。その・・・」
 

「なるほど・・・ちなみにお客様のご予算は?」


「え〜っと、今3万ちょっとしか無くって・・・ダメですよ・・・ね?」


「分かりました。3万でお譲りするペットはありませんが、ちょっと飼っている
猫が子供を産んだので飼育されてはどうですか?もちろんお代はいりませんよ」


「えっ!?良いんですか?」


・・・


「あっ・・・でもうち、ペットうるさいから猫は・・・」

「ではハムスターなどどうですか?ハムスターなら内緒で飼えますか?ちょうど
今手に入ったばかりのハムスターがありまして」


私って超ワガママだなって思いながら、内心喜んでた。


「あの・・・でも・・・お金は?」


「・・・」


「それに配送してもらっても、お母さんいるし・・・その・・・」


「・・・」


「そうですね・・・大切に飼っていただけるならタダで構いませんよ。
今から近くまでお伺いします。」


「えっ?今から?」



22時過ぎてますけど・・・



お父さんは未だ帰ってきてない。お母さんはお風呂。
お兄ちゃんは部屋に入ったら出てこない。


よし!今しかない



ガチャガチャ


半ば家出みたいに指定された近くの公園に向かう。


この公園・・・



不気味だから嫌い


約束の時間よりすこし早かった。もおう少しゆっくり来れば良かった。



襲われたりしないよね?



こんな暗い公園で待ち合わせって変だなぁ。って・・・思い出した



「お待たせしました」

「キャッ」

突然背後から声をかけられ尻もちをついた。


「おや?これは失礼・・・驚かせてしまいました」


この声


電話の声・・・



「あの・・・闇の販売所の?」

「はい、お待たせして申し訳ありません。」


この厚いのに・・・コート?



顔が良く分からない
普通の人だよね?・・・多分・・・



「こちらが先ほどお話したハムスターとカゴと餌になります」


「あの・・・本当に良いんですか?カゴまで・・・」


「もちろんですとも」



男の口元が笑ったように見えた。


「あの・・・ひとつ質問しても良いですか?」


「はい・・・なんでしょう?」


「サイトにあった・・・きゅうじゅうきゅうがみ?ってどんな動物ですか?」


「あぁ・・・あれは『つくもがみ』と読みます。良く動き回るのが特徴ですね」


「はぁ・・・なるほど・・・」



あんまり分かって無い



「では・・・私はこれで」


「ありがとうございます。助かります」

「最後に餌は忘れずに与えて下さいね。大きくなりすぎて手におえなくなったら
私が引き取りましょう」


「ん?これハムスターですよね?」



「はい、特別な・・・」



特別な?・・・






もしかして血統書付きとか?高級なハムスター?


マジで?



勝手に想像して・・・その日は・・・いつも通り一日が終わった。


ほんとう、ラッキー!!



翌朝・・・


昨日の男の人いつの間に来たんだろう?気配なかったし・・・


・・・


あれっ?
「お父さんは?」

「昨日から帰って無いのよ。全く・・・」
背中を向けたまま・・・お母さんが言う。



お父さんが帰って来ないなんて久しぶり・・・また喧嘩かな?



そんなことより遅刻しちゃう。
急いで支度しないと三日連続はヤバいでしょ。


あ・・・



ク〜ちゃんに餌あげなてない。


ハムスターの名前はク〜ちゃん。
あまりの可愛さに見とれてしまう。



「いいなぁ」




はっ!遅刻しちゃう・・・




ギリギリセーフ。



キ〜ンコ〜ン カ〜コン・・・


一時限目・・・



・・・



・・・?ん?・・・なんだこれ・・・



制服のポケットから四つ折りにされた白い紙



ん?



お買い上げありがとうございます。


始まりに書いてある言葉


赤い文字だ。


『お買い上げありがとうございます。ここでハムスターの飼育のポイントを
まとめましたので以下の事項をお守り下さい』

1 一日三食与えて下さい
2 特別な餌が必要ですので無くなり次第お知らせ下さい
3 一日二リットルの水を与えてください
4 脂系、肉類を絶対に与えないで下さい


いつの間に?こんな紙・・・ポケットに・・・


昨日制服のままだったけど預かった記憶無いし


というか一日三食とか・・・もう無理じゃん。
2リットルも見ず飲むもんなの?



知らなかった



どうしよ・・・三食とか水とか・・・
そんなこと言われたって(書かれてるけど)


今日は友達とカラオケ行く予定あるし


まぁ


多分


一日くらいなら平気でしょ。
そんなにすぐに死なないと思う。



多分・・・


分かんないけど・・・



「やっば〜。すっかり遅くなっちゃった!」


夜・・・街灯を頼りに足早に家に向かう。



カラオケ歌いすぎちゃったみたい。


絶対怒られる。
なんか言い訳 言い訳 言い訳



無いな〜



言い訳しか頭になかった。



「あれ?」


我が家の明かりが・・・



絶対に家族がいる家なのに真っ暗



「おっかしいなぁ」



ガチャガチャ







鍵・・・掛って無い


「ただいま〜」



し〜ん・・・・・




「お母さ〜ん?いないの〜・・・」

靴はお父さん以外きちんと並べてある。



「寝たのかなあ?」


リビングのドアを入れると部屋が明るくなった。




「キャ!」



「もう〜お兄ちゃん!いるなら返事くらいしなさいよねぇ」


「明かりもつけないで何してんの?」


ソファに背中を向けたまま座っているお兄ちゃん


「お母さんは?お父さん帰って無いの?」


「・・・」


「お兄・・・ちゃん?」





ガタガタガタ・・・・・・・・



二階の廊下を誰かが走るような音がした。


「えっ?何・・・いまの・・・」


「・・・」


「ねぇ?寝てるの?」



お兄ちゃんが座っているソファに近寄って・・・



そして


お兄ちゃんの前に移動した時・・・



「ヒッ・・・」



言葉にならない悲鳴

一瞬の硬直




そして





「キャァァァァァァァァァァ・・・」



だらしなく垂れ下がった両腕


血まみれのソファ・・・


首から下腹部まで裂けた穴・・・無残に飛び出している内臓。
散乱している内臓の一部


まるでカラスに食い散らかされた生ごみのように・・・


恐怖と共に震える身体



ガタガタ・・・・・・・・ガタガタ・・・・・・ガタ





「けっ・・・警察に・・・電話しなきゃ」


よたつく脚で電話に駆け寄る


「いち・・・いち・・・ぜろ・・・はぁ・・・はぁ・・・」




・・・



・・・



「あれ・・・なんで?つながんない」



もう一度・・・




・・・



繋がらない


「ウソ?」




『無駄だ』



「!?」


『お前が悪いんだ』


な!なに?なんのこと?
何処から聞こえるの?


『お前が悪いんだ』


「何処?だ・・・誰ですか?」



『お前に飼ってもらった。ク〜ちゃん』



「ク〜・・・ちゃん・・・?」


ク〜ちゃん?ハムスターの?どういうこと?


金縛り・・・そんな感覚で見えない生物と話を続ける



『まだ・・・分からないのか?お前が食事をくれないから、お兄ちゃんを
食べたんだよ』




本当に?




「だって、そんな・・・そんなこと言われたって私・・・」



『黙れ!お前が悪い』


「お母さんは?お母さん何処?」


『寝室で寝ている』


「寝てる?良かった」




『首から上が無い状態でなあ』




「そ・・・んな・・・お母さん」


涙が止めどなく溢れる。言葉にならない。


「うっぐ・・・ヒッ・・・く・・・・・・・お母さん・・・ヒッ・・・?」




『お前が悪い』


「ヒッ・・・く・・・ぅう・・・」



『明かりを消せ!』



怒っているように聞こえた。



こ・・・・・殺される




『お前は殺さない』


「え?」



『早く明かりを消せ!』




無言で起き上がり・・・パチッ


わずかな月明りだけの真っ暗なリビング



「ひぃぃぃ・・・」



どこから現れたのか・・・人間の子供くらいの大きさ


長いシッポ 紅い目 真黒い体



これが・・・あの愛らしかったク〜ちゃん?



『お前は殺さない。これからは、お前が食事を調達して来い』



食事・・・を・・・調達?



私・・・が?




『新鮮な人の肉だ。もう、この肉しか食べない』



それって、どういうこと?



私が人を殺して・・・それを・・・食べる?


ど・・・どうしよ?そんなこと出来ない



『お前が悪い』



私が悪い



お兄ちゃんもお母さんも殺してしまった。




私が




ハッ!お父さんが帰ってくる・・・どうしよ!?




お父さん・・・今日も帰ってきちゃダメ!!




お願いだから



ピンポ〜ン



「!」



ピンポ〜ン

『誰だ?』


「た、多分・・・お父さんだと・・・」



『チッ・・・良いか、何も言わずに中に入れろ』



「は・・・はい・・・」



お父さんな訳がない。いつも合鍵で入ってくるし、さっき私は
施錠してない。



逃げれる!・・・助かった!


その思い一心で玄関のドアを開けた





「なんで?」




「夜分遅くにスミマセン。お留守かと思いました。ご就寝中でしたか?」


「いえ・・・まだ・・・起きてました・・・」


「そうですか」


「はい」


「多分・・・大きく成長してしまって手におえなくなったんじゃないかと思い
お伺いしました」



この人・・・まさか・・・こうなること知ってて!

それに住所まで・・・



どうしよ



「ハムスター元気ですか?」


「それが・・・その」



「だいぶ、お困りのようですね。顔色が悪いですよ」



「・・・」



「お嬢さん・・・外で10分程待っててもらえませんが?」


「でも」


「大丈夫・・・それに私にも責任がありますから。さぁ早く」

私の腕を掴んで外に連れ出す。




ガチャガチャガチャ

鍵の閉まる音


どうしよ・・・あの人も殺される!

逃げなきゃ


警察に・・・行って・・・



なんて説明するの?



ハムスターに家族を殺されました?



物音ひとつしない自分の家

昨日まで普通だった家が、今は違う建物みたい。



ガチャガチャガチャ







何事も無かったように男が玄関先で私を見る


「あの」



「お待たせしました。すべて上手く行きましたよ」



すべて?

うまく?


「今日は謝らなければいけませんね」



放心状態の私を無視して話を進める



「今日の出来事を誰にも言うな。と言っても無理でしょう。ですから・・・
私からのお詫びとして」



「そうですねぇ〜・・・過去にタイムリープして差し上げましょう」





タイムリープ?


なにソレ?



「ご安心下さい。痛くないですし・・・一瞬で終わります・・・」

男が無理矢理・・・私の口をふさぐ



「な”びする”んで・・・」



ふさがれた口から一生懸命に声を出す。けど・・・クロロフォルム?



最後のほうは・・・記憶が・・・



・・・



さっきまでの不安 恐怖 焦り 絶望 孤独・・・


無くなった時


深い眠りに沈んでいく自分が分かる



「ねぇ〜〜〜飼っても良いでしょう?」


「ダメったらダメ。大体誰が散歩やご飯の面倒を見るの?」


「学校から帰ってきたら散歩に連れてくからさぁ〜買ってよ〜」


「前もそう言ってママに押しつけて最初だけじゃない。面倒みたの」


「ケチケチばばぁ」


「なんか言った?」



急いで自分の部屋に・・・



あれ?



この光景どっかで見たような・・・さっきのセリフも知ってる。


どこで聞いたんだろ?



ん?



パソコンの電源が入ってる

闇の販売所
※買い取りも致します


「なんか・・・面白そうねぇ・・・なになに?」



ペット終了



◇次回は不老不死です◇お楽しみに

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posted by まさるっち at 23:10| Comment(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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