2012年04月03日

ゲーム(第1話)

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ゲーム

春が近いせいか、陽光が心地よい。

窓からは暖かい光がさしているが、僕は暗い。



なぜか???


いわゆる不登校児


世界の終わりを願っている。

両親は共働きで、家にはいつも僕ひとり

クラスでは友達ができず浮いた存在


別にいらない・・・友達なんか・・・



学校なんか無くなれば良い。


ネットが僕の友達
裏切ったりしない
色々教えてくれる


いつも締め切っている窓

たまたま開けてみたけど、すぐに閉める


太陽は嫌いだ!!!


いつも輝いていて眩しく、うざったい存在


いつもクラスの奴らの悪口を書き込みして

ゲームして


誰とも知らない相手とチャットする


そんな生活が半年以上続いている

どうせ・・・いつか皆死ぬんだ。

頑張っても意味がない


父親が女を作って帰らない日が続いた。

母親も同じように若い男を家に招き入れた。

家庭崩壊の原因は妹・・・・・


援助交際

妊娠

退学


そして


家出


でも僕には関係ない

僕に迷惑がかかった訳でもなく、むしろ好都合だ


妹のことで僕にうるさく言う人間がいなくなった


何より僕にはネットがある。


これ以上ない親友


ネットやゲームに飽きてきた頃、暇つぶしに通販サイトを

覗(のぞ)いていた時に見つけた。


闇の販売所???



何を??



怪しいと思うよりも興味津津でマウスをクリックしていた


怪しそうな商品ばかり・・・


しかも高い。

一番安いモノで10万円から・・・高いもので数億

あり得ねえ、誰が買うんだよ?



一億のスケッチブック


特に買うつもりも無かった。見る分には無料だし



ん〜?


パソコンゲーム。


『リアリティホラー』


商品説明:
あなた自身が作るホラーゲームで主人公はあなた次第


ゲームディスクに10万円も


そう思いながら買ってしまった

自然に指が購入をクリックしていた。


やりたいゲームも無かったし貯金を全部使えば買える。
そう思った翌々日・・・

代引きで商品が届いた。

差出人は闇の販売所店長

差出人住所は、東京都世田谷区?



すぐ近くだ

受け取った後すぐに部屋に戻る。


このゲームは自分自身がマップやルートを作れて敵ゾンビを
好きな場所に好きなだけ配置出来るもの。


普通のホラーゲームだ。買って損した。


というか、詐欺だ。


三日三晩・・・徹夜をしてまで、そのゲームにはまった。



なぜか?



登場する主人公が傑作だったから


自分の知っている人間のフルネームと生年月日を入力すると
・・・入力された人間がゲームに登場する。


いくらでも・・・拡張出来て死んでしまっても次の人間を
投入すれば良い。


つまり三次元から二次元に強制移動させられるゲーム


移動させられた人間は知らぬ間にゾンビの世界に迷い込む。
あまりに傑作だった。


僕をイジメた奴らが訳もわからずに死んでいく。


面白すぎる。


苦しみと恐怖の中で死んでいく様は快感だった。


僕がキーボードを操作しないと彼らは勝手に動く事が出来ない。

両手両足が動かず・・・ただ立っているだけでゾンビに食われた

奴もいた


最初の生贄は世間で家出扱いされたクラスメイト

しかし、同じクラスからさすがに立て続けに何人もいなくなると

マスコミや警察が動き出した。


邪魔するな!!


実に面白い。絶対に帰ってこれない世界。

その命を僕が握っている。


僕をパシリにしたヤツ

僕を殴ったヤツ

僕を笑ったヤツ

僕をキモいと言ったヤツ


ついでに担任と両親も消してやった


世の中のゴミを片付けるのは良い事だろ?


このゲームに妹も出演させることにした。

ゴミだから仕方ない。



『まなみ』っと・・・



両面に今現実の背姿形で登場した妹


半年前と同じ姿だった。


あれっ?


なんで?


こんなこと初めてだった。

勝手に歩いてる。


歩くなよ!

無断で・・・


おいったら!?

操作してないのに・・・


いつの間にかショットガンまで所持して・・・

ゲームを進める妹


あり得ない


このゲームの主人公は僕であって武器や敵の配置は僕が決めることだ

僕は武器を配置したことなんて一度たりとも無い。


一時間ほど画面にくぎ付けになった。

順調な妹。


ヤバい!このままだとクリアされてしまう・・・?


どうなるんだ?


俺が主人公なんだ。
お前なんかじゃない。


そう思って・・・とっさに本体の電源をオフにした。

プツン!と消えた。


多分


死んだろうな・・・まなみ・・・


世間やニュースでは依然行方不明になった数十人の事で
騒いでいる。


もう、いないのに・・・


あのゲームは飽きてきた。クラスのゴミは片付けたし。


良い事をすると気分が良い。


感謝状ものだ


闇の販売所


またこのサイトを開いて・・・暇つぶしをする。

変わった名前の商品が多い中で更に変わった名前の商品


『ドッペルゲンガー』!!??




いち・じゅう・・・ひゃく


120万円??

商品説明:
もう一人のあなたが作れます。


たった10万で、あれだけの人が殺せたのに・・・
更に12倍の値段が付いた商品



「ほしい」


でも僕にこんな大金・・・。



ある・・・



両親の口座なら絶対にある。

購入をクリック


注文してしまった。


怪しい商品であればあるほど僕には魅力があった。


今から気持ちが高まった。

通帳と印鑑を探しに廊下に降りた。


翌々日・・・深夜・・・


高額のため直接商品を届けるというので玄関先で待機した。


時間は僕が指定。


家の前に大きな箱を抱えた男が一人立っていた。

黒のロングコートで目深に被ったフード
怪しすぎる服装で男が声を掛けてきた。

「本日はドッペルゲンガーをお買い上げいただきありがとう
ございます。」

男は洗濯機ほどの箱を玄関先に置いた。


僕は一言も口を利かずにお金を渡す。

男は中身を確認せずに懐(ふところ)にしまうと


「また何かありましたら宜しくお願いいたします。では、私は
これで・・・」とだけ無愛想に言って立ち去った。


例の連続行方不明事件の犯人が、僕だと知っているはずなのに、
何も言わなかった。


まあ、良いか!


かなり重そうな箱・・・



ん!



軽い!まるで中身が入ってないような軽さ・・・


さっそく、玄関で開梱する。


何重にも包装されていて・・・イライラする。


クソっ!

マネキン?
どこにでもあるマネキン。


説明書きには、こう書いてある。

背中にあるスイッチを入れて後は育てるだけです。使いすぎに注意
しましょう。


いきなり・・・この商品を買っていたら返品したと思う。

でも・・・あのゲームを知ってたから、どうなるか楽しみだった。


スイッチを入れると起き上がり挙動がぎこちない。

ロボットのような・・・


到底もう一人の自分だとは思えない。かけ離れている。


一週間後


中学生レベルの問題を解いたり普通に喋ったりした。


もう一人の・・・僕・・・


敬語使えよ!?



更に、一週間後。


学校へ行きたいと言い出す。

僕の事を足蹴にする奴らがゲームの中で死んでいたので承諾した。


僕の変わりに卒業してくれればラッキーだった。最初の頃に比べると

動きも人間らしく肌も人と同じようになってきた。

どうみても、僕だ。


仕組みはわからない。わかろうとも思わない・・・ただ


僕が損をしないのなら、なんだって構わない。


でも・・・事態は急変した




学年で成績がトップになっていた。



僕に内緒で部活やアルバイトまでしている。

目立ちすぎる。



明らかに僕とは違う僕。


やめろ!僕はひっそりと生きていたいんだ。目立つな!!


夜遅くに帰宅した僕に言ってやった。

「どこ行ってたんだ。こんな遅くまで・・・」

まるで父親のように怒鳴る。



「あ、ゴメン。ちょっと彼女とデートしてて」



・・・?


はぁ?彼女?


いつの間に彼女まで作ってやがった。

カッとなった僕は、ドッペルゲンガーの背中の電源を落とそうとした。


コイツがいると何もかもメチャクチャになる!妹みたいなヤツだ。


背中の辺りを触って・・・色々触る


スイッチ、スイッチ・・・


あれっ?


無い・・・


「やっとスイッチが無くなったみたいだな。良かった良かった」



・・・?


「もう遅いよ。僕は本当に君になったんだから」


「本当の君・・・?」



数週間前の記憶がよみがえる。


確か・・・

説明書には、こう書いてあった『使いすぎに注意』


急いで説明書を探す。そして読み切れていない部分を一心不乱に
読み始める。止めないと・・・



そして・・・



痛かった。



僕の背中に突き刺さった痛み、説明書に吐血して後ろを振り向くと
・・・


笑っている妹がいる



「もう遅いって言ったろ?僕は君なんだよ。僕が二人いちゃマズいだろ〜?」


また痛み


何度も何度も・・・


それから僕を見て妹が笑った。


パソコンを起動させ・・・闇の販売所サイトにクリックする僕。

何かを注文して


笑っている僕がいた。


「おかえり、まなみ今日は早かったな」

「ただいま〜。お母さんやお父さんは?」

「リビングにいるよ」


妹はリビングに向かい嬉しそうに
「ただいま〜」


「おかえり・・・今日は結婚記念日だからご馳走よ」母親が言う。


「うまそうな匂い」


父親も嬉しそうに近寄ってくる。



どこにでもある普通の家庭がそこにあった。

みんな楽しそうで会話が途切れることが無い。


他人が見れば幸せいっぱいの家庭に見えるだろう。





でも





この家に





人はいない








機械仕掛けの家庭






ゲーム終了・・・



(次回は◇寿命◇です。お楽しみに)

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posted by まさるっち at 16:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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